広島菊池涼介内野手(25)が1日、マツダスタジアムの球団事務所で契約更改交渉を行い、現状維持の年俸8500万円でサインした。今季は両膝の故障もあってほとんどすべてで昨季の成績を下回った。来季の目標をもう1度歴代補殺数上位3位独占に設定。522補殺より上を目指し、準備を整えていく。(金額は推定)

 金額に執着はなかった。菊池は濃紺にグレーのストライプを身にまとい、すっきりした表情で会見に現れた。チームも4位に終わり現状維持の推定年俸8500万円でサイン。両膝の故障を抱えながら2年連続で全試合スタメンを果たしたが、打率2割5分4厘、8本塁打、32打点に終わった。持っている能力からは似つかない数字が残った。

 「ずっと苦しかった1年。ケガもそうだし、結果がついてこない、体が動かないというのもあって苦しかった。(良かった)イメージはないですね」

 自慢の守備でも数字を落とした。ゴールデングラブ賞こそ受賞したものの、補殺数は484にとどまった。13年に528補殺、14年に535補殺と歴代1位2位の記録を立て続けにマークした男には物足りない。「体の状態のなかでベストは尽くした。でも(捕れる打球も)いくつもあった。申し訳ないという思いもあった」と言い、来季の目標をあらためて設定した。

 「(体の状態を)万全にして補殺記録を更新したいですね。(歴代3位の)522補殺以上。ワンツースリーにしたいです。いままでなかった新記録なので」

 目指すは、全ポジションに枠を広げた歴代補殺数ベスト3の独占だ。522補殺を上回れば55年の坂本文次郎(大映=三塁手)を抜き、歴代3位となる。昨年も契約更改の場で立てた目標を、来季こそ達成してみせる。まずは痛めた靱帯(じんたい)を休め「地味なトレーニング」を続ける予定だ。年明けからギアを上げていく。

 緒方監督から丸とともにチームリーダーに指名され「抜けてられるか」と気持ちでグラウンドに立ち続けた。「ここでやらないと、打たないと、で空回りしたシーズンだった」。期待はそのまま背負い、来季はグレードアップしてグラウンドに立つ。万全の菊池なら、大記録も難しくはない。【池本泰尚】

<プロ野球補殺数シーズンベスト3>

(1)菊池 涼介 535個(二塁、広島=14年)

(2)菊池 涼介 528個(二塁、広島=13年)

(3)坂本文次郎 522個(三塁、大映=55年)

※左から順位、選手名、補殺数、位置、所属、達成年