グラブも遊撃一本勝負! 阪神鳥谷敬内野手(35)が今季までと同じ型のグラブを来季も使用することが30日、分かった。アドバイザリー契約を結ぶ久保田スラッガー社が、17年用の同型グラブ2個を作製。金本監督に遊撃で勝負したいと直訴した決意をグラブにも込め、レギュラー奪回を目指す。

 覚悟は、そう簡単にブレない。鳥谷は17年、本気で遊撃レギュラーのポジションを奪いにかかる。12月下旬、アドバイザリー契約を結ぶ久保田スラッガー社が17年用のグラブ2個を作製した。担当の和田卓也氏は「去年までとまったく一緒の形です」と説明。二塁や三塁用のグラブは注文されなかったことを明かした。

 遊撃レギュラーに燃える気持ちの表れだ。今季は夏場にレギュラーの座を失い、12年ぶりの三塁守備も経験した。金本監督は当初、来季の鳥谷について二塁、三塁起用のイメージも膨らませていたが、鳥谷自身が遊撃で勝負したいと直訴。北條と遊撃バトルとなる流れが出来上がっていた。鳥谷は新グラブの形状について問われると、「変えるつもりはありません」と即答したという。

 捕球面の硬さなども変わりなし。唯一の変更点は色だった。今季は薄茶色ベースと黒色ベースの2色を使用。来季は水色をグラブに取り込む。和田氏は「一番いい成績を残した時に水色を使っていたので、こちらで勝手に思いを込めて色を戻させてもらいました」と期待。打率3割1厘、19本塁打、104打点をマークした10年シーズンのカラーを復活させる。

 仮にチーム事情で三塁、二塁を守ることになってもグラブを変える予定はない。通常、三塁用グラブは遊撃用よりも1~1・5センチほど長くなるが、和田氏は「この大きさで三塁を守る選手は正直いないですが、大きいのは逆に不安なのだと思います。3年前に5ミリ長くした時も、指先に感覚が伝わらないということだったので」と説明。長年タッグを組む相棒とともに復権を目指す。【佐井陽介】