先発に挑戦中の中日又吉克樹投手(26)が“竜投のジョーカー”になる。ナゴヤドーム初先発の日本ハム戦は6回4失点(自責3)だったが、球数は最多の105球に更新。スタミナ面も含めて先発の適性はすでに証明してきた。森監督は又吉の起用法について、複数の選択肢を考えていることを明かした。

 「ほかの先発がしっかりしているなら、又吉を先に登録するかもしれないし、リリーフに回すかもしれないし。そういうのを見ているところ」。詳細な説明は避けたが、又吉を開幕の巨人戦から出場選手登録し、最初の先発が回ってくるまでブルペン待機させる可能性が出てきた。

 状況は日々動いている。現在、明確なローテ確定は開幕投手の大野と吉見。小熊、若松、鈴木の3人の仕上がりに加え、中4日でも投げられるバルデスをどう使うか。期待に応えられず脱落した投手が出た場合、ローテの谷間に又吉を投入することができる。

 本人は4失点のシーンを反省しながらも、一定の手応えをつかんだ。「落ちる球が右にも左にも使えると分かったのが収穫。1発勝負と違って、前の打席の球をどう使うかなど、今までにない配球もできた。どこでも言われたところで投げます。どこでも抑えて、使える投手になりたい。もし戻ることになっても、先発の経験は使いたい」。頼もしさを増す献身的なサイド右腕。相手にとっては、嫌な存在になりそうだ。【柏原誠】