7連覇しか見えない。最速144キロ左腕の鈴木は「先輩が抜けて相当プレッシャーがある。4年生のためにも連覇を止めるわけにはいかない」と神妙な面持ちで語った。4人の中で唯一、昨秋に先発を経験した佐々木は「ある意味チャンスと感じた。自分たちがやるしかない」と肉体改造に取り組み、75キロから最大9キロまで増量。ひと冬終えて球速が2キロ増の146キロまで上昇した。

 4人とも甲子園出場を経験していない雑草組だ。豊田監督自らが球場に足を運んで発掘してきた原石たちが、まばゆい光を放とうとしている。高校でひのき舞台を味わえなかった4人は目を見開いた。「お互い負けてられない」と火花を散らし「絶対、神宮で投げたい」と宣言した。夢の全国のマウンドは、自分の腕でたぐり寄せる。【高橋洋平】