阪神ドラフト2位の小野泰己投手(23=富士大)は、4度目の先発でも白星を手にすることができなかった。初回に制球が安定せず、4四球を与えて2点を先取された。1イニングで34球を要し「投げ急いでしまって、フォームのバランスが悪くなってしまった。早く修正ができなかった」。イニングを重ねるごとに球数を減らし、中盤は強打のソフトバンク打線と対等に戦えただけに、立ち上がりが悔やまれた。

 次回が、先発生き残りをかけた背水登板になりそうだ。今後について香田投手コーチは「一応、行かせるつもりです」とチャンスを与える方針を示した。6回途中3失点の内容を、金本監督は「ちょっとコントロールという点では安定感に欠けていたと思う。いいボールは持っているんだから、ストライクゾーンにさえ投げ込むことができれば、ある程度は抑えられるんだから、自信を持ってコントロールを修正してほしいですね」と指摘。今度こそ制球を磨き、首脳陣の評価に応えなければならない。

 福岡は18年間生まれ育った街だった。凱旋(がいせん)登板ということで、この日は父勝己さんや親戚ら7人が球場に足を運んでくれたが、家族の前で故郷に錦を飾ることができなかった。「勉強して、今後はバッターと勝負できるようにしたい」と小野。先発ローテーションの生き残りへ、ルーキー右腕が踏ん張りどころを迎えた。【山川智之】