西武が鎮魂の勝利を目指す。先日までベンチ入りしていた森慎二投手コーチ(享年42)が多臓器不全で28日に急死。一夜明けた29日、先発の菊池雄星投手(26)ら選手、関係者は悲しみに暮れながらも、今日30日からのオリックス戦(メットライフドーム)に向けて調整を行った。森コーチの志を胸に、恩返しの白星を手向ける。

 悲しみは胸にしまい込み、グラウンドに立つ。突然の悲報から一夜明けた那覇空港。森コーチが担当したブルペンを支える牧田は、必死に現実を受け止め、強い覚悟を口にした。

 牧田 慎二さんのためにも、ここで気落ちすることは出来ない。何とか優勝、日本一になって、いい報告をしたい。1つずつ、必死に、確実に(勝利を)取りにいきたいと思います。

 背中を押してもらってきた。リードやビハインド、さまざまな局面でマウンドを託されるリリーフ陣。森コーチは、よぎる不安を払拭(ふっしょく)して送り出してくれた。思い出される言葉の数々。「マウンドに向かう前、プラスの言葉で勇気づけてくれる。たとえ負けていても、暗い雰囲気をつくらない。本当に助けられたところが大きかった」と静かにうなずいた。