復活した「おじさんトリオ」が快勝の原動力だ。脇腹の故障から再起した36歳の3番、糸井嘉男外野手が2試合連続タイムリーを放って完全復活をアピール。40歳の4番、福留孝介外野手も14号2ランを放つなどマルチ安打で好調キープだ。36歳の鳥谷もタイムリーを含む猛打賞と好調で3人合わせて6安打4打点。まだまだ暑い夏、全開のおじさんパワーで再進撃だ。

 虎の「おじさんトリオ」がナゴヤドームで躍動した。36歳糸井、40歳福留、36歳鳥谷。金本監督が「この3人」と期待する主軸がそろい踏みの大活躍で、竜を圧倒した。

 2点リードの5回1死三塁。まずは3番糸井が中日若松のチェンジアップを待ってました! とフルスイング。2戦連続適時打となる右翼線二塁打で1点を加えると、4番福留も続いた。ストレートを完璧に捉えて右翼フェンスを越える14号2ランを突き刺した。金本監督も「あれでほぼこっちのペースにできた」と絶賛する一撃だった。

 糸井 追加点が取れてよかったです。

 福留 糸井がタイムリーを打ってくれて、自分も後ろにつなごうと思っていました。意識していたことはそれだけです。

 百戦錬磨の男たち。さすがの勝負強さだ。この日は7月から途中加入して前日18日まで4番だったロジャースが「休養」。糸井が右脇腹の筋挫傷で負傷した7月17日広島戦以来、28試合ぶりに3番糸井、4番福留が並んだ。その2人が勝負どころできっちりと仕事。6番鳥谷も3安打と暴れ回った。

 特別な存在だ。金本監督はこれまでにも主軸3人に対する信頼を口にしてきた。交流戦明けの6月には「(福留)孝介とトリと糸井と、3人がやらないといけない。野手では、あの3人が勝たせる」とチームに与える影響を力説していた。

 衰え知らずの「オーバー35」の活躍で、うれしい悩みも生まれる。指揮官は今日20日の福留出場について、「どうしようか、明日(笑い)。休ませたいけど、週2回は休ませたいけどさ…。孝介の本音が分からんけど(笑い)。俺らには『出ます』しか言わんけどさ」と悩ましげだ。ルーキー大山に、俊介ら中堅組も元気。糸井が帰ってきて福留も鳥谷も元気なら、もっともっと勝てる。【桝井聡】