ようやく感触が戻ってきた。ソフトバンク石川が7月4日のオリックス戦以来、約1カ月半ぶりに5勝目を手にした。「チームが連勝しているところで波に乗っていけた。心を合わせてやっていきたい」。久々に手にした白星。西武戦は初先発だったが、重量打線を自慢の直球とブレーキ鋭いカーブで手玉に取った。

 7回107球。散発3安打で7三振を奪い、三塁を踏ませなかった。「最近はあまりよくない試合が続いていたんで、この試合に賭ける気持ちは大きかった。後がない気持ちだった」。

 自慢の直球の速度が落ち、勝利から遠ざかった。疲れなのか、メカニック的な問題なのか…。自問自答しながら調整も工夫した。遠投を多く取り入れ、フォームを安定させた。勝てなかったこの4試合は四球が平均4・5個。この日は2個に減らし、制球を安定させた。

 4勝目を挙げた直後から手にする赤のグラブにも工夫がほどこされている。左手を差し込む箇所にイボが着装されており、引き手となる左腕の力を強くするという。「(グラブも)いい感じで慣れてきました」。チームを今季初の7連勝に導いた男が、Vロードもけん引していく。【佐竹英治】