ヤクルト小川が、粘りの投球で7勝目を挙げた。8回1死一塁、打者は筒香。渾身(こんしん)の120球目は145キロ直球で「ちょっと危ないかなと思った」が、中飛に打ち取った。抑えのルーキに後を託し、拍手で迎えられた。8回を「投げ切れればベストですけど、筒香で出し切っていた」。蒸し暑い中で7回2/3、残る力を振り絞っていた。「ピンチをたくさんつくってハラハラさせてしまったけど、何とか粘れました」と振り返った。

 小川の登板は、ヤクルトファン以外にも一部で注目されていた。最近の球界では西武菊池の2段モーションが話題だが、小川も昨年の春季キャンプで審判から「気をつけてください」と注意されていた。そのため「検索で菊池雄星と打つと(関連語句として)僕の名前も出てくる」と笑い飛ばす。この日は全球セットポジションで、反則投球への意識は「まったくない。今、取られたら訳分からない」。左足を大きく上げた後に「スピードは落ちるが止まってない」(伊藤投手コーチ)。今年は審判から注意を受けたこともない。

 これで7勝6敗と、ひとつ勝ち越した。「残り少ないけど個人的に10に乗せたい」。2年ぶりの2桁勝利を狙っている。【斎藤直樹】