阪神に電撃加入したメンドーサが、移籍後初登板で虎初勝利とはいかなかった。7回7安打4失点でのタテジマ黒星デビュー。8月31日に虎戦士として加わったばかりの右腕は、6回まで2失点と力投したが、7回に中日武山に2点二塁打で勝ち越しを許した。それでも大崩れすることなく、「自分としては、自分の仕事ができた」と冷静に振り返った。そして続けた言葉は「サッポロと違って熱さを感じたよ」。甲子園のマウンドは日本ハムの選手として6月3日にも経験しているが、やはりホームとなれば思い入れが違う。虎党の声援の熱さを、しみじみと感じ取っていた。

 初回から無死一、二塁のピンチを背負ったが、味方の好守もあり、無失点で発進した。1回を切り抜けた際には、グラブをたたいて喜び「最初のアウトを取るのは難しい。ああやって守ってくれてうれしい」と感謝。7回まで140キロ台中盤のストレートとカーブ、チェンジアップ、ツーシームを駆使して、8奪三振1四球。きっちりと先発の役割を果たした。

 日本ハムからウエーバーによる「選手契約の譲渡」で加入した。入団会見翌日の1日には金本監督が見守る前でブルペン入り。最後の登板から中15日と間隔は空いていたが“ブランク”など関係なかった。金本監督は新助っ人に「結果は4失点ですが、内容的には1、2失点。そんなもんでしょう」と上々の評価。エースのメッセンジャーが負傷離脱するなど苦しい台所事情だけに、頼もしい存在になってくれそうだ。【山川智之】