巨人が秋季キャンプを「少数精鋭」で鍛錬を積む。17日、川崎市のジャイアンツ球場での秋季練習後に高橋由伸監督が「野手は少数精鋭で13人程度。本当はもっと少なくしたいけど試合もあるので」と構想を話した。昨年は野手15人態勢。今年は宇佐見が侍ジャパンに途中で招集されるため、さらに絞られる。

 えりすぐりのメンツを目の届く中で徹底的に鍛える。特に打撃は重点強化ポイントだ。「今回のメンバーは全体的にはやらないといけないが、打つことが一番大きな課題だと思う。まずは打つことのレベルを上げないと」。練習量の1・5倍増を掲げているが、フリー打撃も通常の20分から30分に拡大。打撃投手の投げるテンポを速め、20分約100球の打ち込みを、30分約200球に増やさせる。

 指揮官も一肌脱ぐ。「打撃投手もいっぱい行く。でも自分の健康のために投げるかも」と笑いながら、就任後初めて打撃投手を務める意欲を示した。小林は「人数が少ない厳しい練習になると思う。実になる練習をしたい」と受け止めた。長嶋政権の伝説の「地獄の伊東キャンプ」は18人の精鋭が原石を研がれて、翌年の最下位からの優勝奪回につなげた。この秋が、来季への出発点となる。【広重竜太郎】