西武牧田和久投手(32)がポスティングシステムによる大リーグ移籍を決断したことが8日、分かった。今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使しての国内移籍も視野に入れていたが、夢を追う決断を下した。

 悩み抜いた末に選んだ道はメジャー挑戦だった。かねて「特徴的なアンダースローがどれだけ(メジャーで)やれるのか試してみたい」と憧れを明かしてきた。今シーズン終了直後には球団側にも海を渡りたい気持ちを伝え、今月6日には鈴木球団本部長がポスティングシステムの利用を容認する考えを示していた。

 ただ同システムは現在、NPBとMLBの間で改定交渉中で即座に申請手続きが出来ない。加えてメジャー移籍を目指す場合は、所属先の決定が年明けまでかかる可能性があることなどから、FA宣言しての国内移籍を選択肢から消せていなかった。熟考する中で決め手となったのは、「失敗を恐れずに挑戦してみたい」という野球人生の軸としてきたチャレンジスピリットだった。

 球団は改定交渉中のポスティングシステムがいかなる形で合意しても、容認姿勢を崩さない方針。この日、牧田から決断の報告を受けた渡辺SDは「牧田には一番いい形で挑戦してもらいたい。システムは関係ない」と明言。万が一、メジャー移籍がかなわなかった場合は、西武残留を認める考えも示した。サブマリン右腕は覚悟を決めて、夢を追いかける。