容赦なし! ソフトバンク工藤公康監督(54)が、タイトルホルダーを強化指定にした。11日から合流する宮崎秋季キャンプでリーグ最多16勝の東浜、勝率1位の千賀を熱血指導すると宣言。「あの2人はいつも言うけれど、ホップ、ステップ、ジャンプでいうと来年がジャンプの年なので」と愛情を持って鬼になる。

 ほかの主力には個人の考えで筋力トレ中心、ランニング中心とメニューを組める自由を与える。だが、工藤監督が育ててきた2人には、もっと大きく成長させるために、自らがトレーニングメニューを課す。

 日本シリーズ後の合流のため、1週間と期間は短い。東浜は腰などに不安を抱え、千賀は背中の張りで日本シリーズ第6戦の先発を回避するなど、シーズンの疲れもある。だが「まだまだ体の線が細い。今年と同じ成績を残すためには今年と同じ練習ではダメ。それ以上にやる必要がある」と、オフに入る前にもうひと踏ん張りさせ、来季、今年以上に鍛えることが可能な体づくりへの大事な時期とする。

 もちろん、来季以降の新戦力を探すことも重要視している。即戦力として期待されながら右肩痛に泣かされたドラフト1位田中については「時間があればなるべく本人とも話をしたい」と対話しながら技術面も精神面も教えていく。笠谷、育成1年目の長谷川宙ら楽しみな素材も多く、例年のように今年も夕暮れまで熱心な指導が続く。

 この日は東京から戻り、地元TNCテレビ西日本とRKB毎日放送の夜の番組に生出演した。日本一連覇への戦いは、もう始まっている。【石橋隆雄】