三浦先生の“先生”弾で初の日本一をつかみとる。今日10日開幕の明治神宮野球大会に出場する富士大(東北3連盟)が9日、都内で行われた開会式に出席した。明治神宮を参拝した4番三浦智聡内野手(4年=盛岡大付)は公民の教職免許取得のため、10月に母校の盛岡大付で教育実習を行っていた。先生と選手を両立し、2年連続4度目の神宮を決めた主砲は「大学最後の大会。日本一を取れるように」と意気込んだ。

 春夏連続で甲子園8強に導いたエース左腕の弟瑞樹(3年)のクラスを担当した。弟に教科書朗読を指名し、自作プリントまで用意するなど、熱の入った授業を展開。「母校でできるのはありがたい。自分の弟を教えるなんて、なかなかないこと」と胸を張った。

 後輩に刺激を受けていた。授業が終われば高校生に混じって練習した。巨人に育成1位指名された比嘉賢伸内野手、高校通算63発の植田拓外野手(ともに3年)のスイングを見て、心を新たにしていた。「自分の原点であるフルスイングを思い出させてくれた。俺も頑張らなきゃと思った」と初心に帰った。

 教育実習中に行われた神宮出場がかかった東北地区代表決定戦では、4番の意地を見せた。東北福祉大(仙台6大学)との準決勝で8回に同点ソロを放ち、窮地を救った。今日10日の1回戦では大商大(関西5連盟第1代表)と対戦する。「力強い打撃がしたい。長打じゃなくても、チャンスで1本出せるように」と気合を入れた。【高橋洋平】