巨人のドラフト5位、日立製作所・田中俊太内野手(24)が兄の出世番号をまとう。リーグ連覇の広島の正遊撃手である兄広輔が入団時につけた背番号63が用意されていることが16日、分かった。

 球団として意図していたわけではなかったが、図らずも兄と同じ番号になったという。広輔は63番で1年目からレギュラーを奪取。2年目も打力を生かして正遊撃手を守り抜き、3年目からは現在の背番号2にステップアップした。田中は指名あいさつ時に「やっと同じスタートラインに立てた」と喜んでいた。偶然の一致だが運命的といえるシンクロ。縁起のいい背番号は大いなる見えざる力となるだろう。

 兄弟で同じ背番号を担う例はある。今季限りで引退した巨人堂上剛裕は弟直倫と中日に在籍していたが、巨人移籍時に63番を弟が引き継いだ。広島の守護神中崎翔太は西武でプレーした兄雄太がかつて背負った21番を16年からつけている。

 田中には壮大な夢がある。本職は二塁手。これまで兄と二遊間を組んだことはないが「高いレベルで組んでみたいという憧れはある」と侍ジャパンでの兄弟コンビ実現に期待をふくらませている。広輔は、まずは身近な兄弟対決に「楽しみな部分はある。弟もまずはその場(1軍)に来てほしい。(出場の)チャンスはあると思う」と思いをはせる。

 夢と目標をかなえるために田中が階段を上っていく必要がある。縁深い63番でプロの世界に飛び込む。