「鍬原部屋」と呼ばれる出世部屋をつくる。巨人ドラフト1位の中大・鍬原拓也投手(21)が21日、他のドラフト指名選手と川崎市内の球団施設を見学した。ジャイアンツ寮では、松井秀喜氏の素振りですり切れた畳が置かれた「松井部屋」にくぎ付けになった。「どれだけバットを振れば、あんなになるのかなと。すごいと思いました。(寮の部屋は)どこでもいい。自分も出世をすればそこが出世部屋になる。そういう選手になれるようにやらないとと思った」と誓いを立てた。

 成功には不可欠なストイックさを持つ。「肘や肩に気をつけないと」と、中大2年からベストスコア278を誇る趣味のボウリングを封印。今年からは「プロ野球選手になるには、気を取られている暇はない」とツイッターなどのSNSもやめた。この日は、刺し身やステーキの並んだ寮の昼食に「しっかりしたものを食べられる」と感激。ジャイアンツ球場の見学後には「一日中、野球ができる環境にある。体を鍛えられる場所」と、ほおを緩めた。

 その一方で「巨人は人気のあるチーム。言動、行動も自分の中で見直さないといけないと思いました」と冷静な一面も。心技体ですごみを増していった松井先輩のように、鍛錬を重ねて出世街道を歩んでいく。【浜本卓也】