チョレイ! 言わせてもらいます。楽天藤田一也内野手(35)が、今オフから新たに卓球トレーニングを取り入れることを明かした。動体視力を鍛えることが目的で、同様にバドミントンも練習メニューに組み込む。8月に行われた卓球のワールドツアー(チェコ・オープン)男子シングルスで、史上最年少優勝を果たした張本智和(14)は仙台出身。東北にゆかりのあるアスリートの波に乗る。

 「卓球とバドミントンのラケットを注文しました」。藤田は、大まじめに答えた。「検査して、動体視力が衰えていた。スピード感のある卓球やバドミントンを自主トレでやります」。視力は左右ともに1・2以上あるが、プレーに影響が出ていると実感。

 「卓球と言えば、チョレイ? 張本君は仙台。バドミントンも東北が元気。乗っかります」

 張本は24日、卓球の世界選手権団体戦(来年4月開幕・ハルムスタード=スウェーデン)の日本代表入りを決めたばかり。35歳はイキの良い若手に師事する。毎年1月に行っている京都の自主トレ先も大歓迎!? 「施設で、卓球台は用意してくれる」と新年から打ち込むプランを打ち明けた。

 軽快なトークのラリーだが、本人は大マジ。右投げ左打ちの藤田は「卓球は右でやると、打席と見え方が違う。左手で持ってやろうと思っている」と左打ちフォアにも挑戦する意向。さらに、右打ちの際には「逆シングル(バックスイング)も野球の動きにつながると思う」と考える。打席でボールを引き込む形と、ピンポン球を打ち込む姿がリンクした。大の楽天ファンを公言する張本から飛躍のヒントを盗み出す。

 注目は「チョレイ」にとどまらない。リオ五輪バドミントン女子ダブルスで金メダルを獲得した「タカマツペア」にもなりきる。「バドミントンは逆シングルで。野球の打ち方に近い」と効果を感じている。過去3度(13、14、16年)二塁でゴールデングラブ賞に輝いた守備職人は「足を使う。球際も鍛えられたら」とシャトルを追いかける。

 今季の悔しさを、ピンポン球にぶつける。102試合に出場した17年は開幕スタメンを逃し、打率2割5分2厘。主戦場の二塁は、一塁手の銀次に出場機会を奪われることもあった。「来年は開幕からレギュラーを奪い返す気持ち。体を一から作り直す」。今オフはバットとラケットを交互に使い分け、球界のご意見番・張本勲氏ばりの「喝!」を自身へスマッシュ。“師匠”となる卓球界の新星・張本に倣い「チョレイ!」とグラウンド上で、何度も雄たけびを上げる。【栗田尚樹】