甲子園で絶叫するぞ! 阪神ドラフト1位の馬場皐輔投手(22=仙台大)が本拠地甲子園のマウンドで三振を奪い、雄たけびを上げる願望を明かした。3日、仙台市内で自主トレを公開。普段はもの静かな男だが、マウンドに立って打者を封じると声が出るという。最速155キロの直球と7種類の変化球を武器とする「みちのくの剛腕」がしびれる投球を見せつけ、甲子園で拳を握ってほえる姿に注目だ。

 雪の積もった仙台の冷気を吹き飛ばすかのように、馬場は熱く語り始めた。「(甲子園で)三振を取ってほえることができたらなと。自然と(感情が)出ちゃうタイプ。マウンドで自分の色を出して、チームに流れを持ってこられるような投球がしたい」。憧れのヤンキース田中がそうであるように、プロのマウンドでも気迫を表に出し、熱の入ったボールで相手打者をなぎ倒す-。そんな理想像を新年の誓いを立てるように明確に示した。

 さらに相手が強いと、余計に燃えるタイプだというから頼もしい。特に大学1年の頃が、そうだった。「4年生の先輩や、自分よりレベルの高い人たちが打席に入ってきて。粗削りだったと思いますが、その分、気持ちで投げていた」。いかにも投手らしい負けん気。現在のセ・リーグでいえば、連覇している広島やCSで敗れたDeNAが手ごわい相手になる。そんな時ほど熱くなって立ち向かう、ドラ1に注目だ。

 もちろん、投げるたびに雄たけびを上げるわけではない。冷静さを保つ必要性も自覚している。「基本は冷静に投げます。ピンチを迎えたときには気持ちを入れていかないと、球に力が伝わらない。でもマウンドで舞い上がって投げ急いでしまうのが一番悔やむ。それで失敗することが自分は多い。だから、プロのマウンドに上がったら、いつも以上に冷静になって自分を見失わないようにしたい」。過去の反省点をすぐに言葉にできるほど“自己分析”も行き届いている。

 馬場は年末年始もトレーニングに明け暮れた。今月の新人合同自主トレを終えると、春季キャンプ、オープン戦と開幕1軍の生き残りをかけたサバイバルに身を投じる。「変に飾らないで、いつもの自分で。まずは自分のスタイルがどこまで通用するのか知りたい」。打者を三振に仕留めて絶叫する、ありのままの自分でプロの世界に挑戦する。【真柴健】