阪神は5日、西宮市内の球団事務所で、球団開きの年賀式を行った。昨年12月1日付で就任した揚塩健治代表取締役社長(57)は鮮やかなブルーのネクタイを締めて、歴代トップとしては異例の11分間に及ぶ年頭所感を述べた。

 6年ぶりの球団復帰となった揚塩新社長は、昨年末に急性虫垂炎(盲腸)の手術治療で5日間の入院を余儀なくされたことを明かした。この日は退院した元日までにベッドの上で熟慮した年頭所感を披露した。

 揚塩社長は「球団経営についてじっくり考えました」と説明した上で、<1>選手<2>フロント、球団職員<3>マスコミ<4>ファンに対する、4項目のメッセージを用意していた。

 <1>では大型投資になった新外国人ウィリン・ロサリオ内野手(28)獲得でバックアップ態勢を整えたことを強調しながら「必ずリーグ優勝しましょう、日本一になりましょう」と語りかけるように挨拶した。

 なかでは選手への2点のリクエストとして「有言実行」で「優勝すると言葉に出してほしい」とお願い。2つめ目は「ベンチで戦う姿勢を全面に出してほしい」と話した。

 <2>では、幅広い野球振興活動を展開するために新設した「振興部」、高性能弾道測定器「トラックマン」システムなどを機能させることなど、「毎年新しいものに取り組んでほしい」と語った。

 <3>では「マスコミは大きな戦力だと思っています」と呼び掛けた。<4>では「ファンのみなさまへのご挨拶」と前置きしながら「13年ぶり優勝、33年ぶり日本一を勝ち取れるように、一丸となって戦います」と話した。

 最後に揚塩社長は、金本監督3年目になったシーズンに臨む自らの姿勢として「誠心誠意、身を粉にして戦います」と締めくくった。その後、谷本修代表取締役副社長(53)が乾杯の音頭をとって賑やかな雰囲気に包まれた。