プロアマ合同の日本野球規則委員会が11日、都内で行われた。公認野球規則の「反則投球」から日本独自の「【注】」を削除。西武菊池雄星投手(26)が昨季途中まで行っていた、いわゆる「2段モーション」が、今季から認められる。故意四球の申告制は、規則に採用が決まった。

 投球動作で「2段モーション」を反則投球とする日本独自の項目が削除された。国際基準に合わせたもので、ひどい場合は注意されるが、罰則は受けない。

 削除されたのは、定義38にある「【注】投手が5・07(a)(1)及び(2)に規定された投球動作に違反した場合も、反則投球になる」。この「【注】」は国際的なルールブックに記載がなく、日本野球連盟の中本尚規則・審判委員長(66)によると記載開始年は不明だが「1974年にはあった。(巨人王に対して中日小川が行った)背面投げなどが出てきたからだと思う」と説明する。打者への幻惑を防ぐための、日本独自のルールだった。

 菊池は昨年8月17日楽天戦で、投球が一連のモーションではないとして2度反則投球を宣告された。日本ハム井口も同19日西武戦で反則を取られた。だが、菊池らの投球は、海外では認められる程度のもの。国際大会のメキシコ戦で日本の審判が反則投球と判定したところ、他国の審判員との協議で覆された例も確認。菊池への判定が契機となり、国際基準との違いがあらためて浮き彫りになった。

 打者のタイミングを外すためなら、どんなフォームでもいいわけではない。中本氏は「3回も足を上げたり、これ以上エスカレートするならやめさせる方向にいくと思う」。NPBの井野修審判技術委員長兼野球規則委員(62)は「反則にならなくても何でもやっていいとはならない。マナーの問題。人をだましてというのは、スポーツの根本としてありえない」。ただし、昨季時点の菊池、井口らのフォームなら、今季は反則投球には取られない。

 規則委員会では今後、2段モーションなど動きを意図的に止めるフォームが、科学的に優位性がないという検証を外部の研究機関に依頼するという。