スピードで正二塁手の座を奪い取る。巨人吉川尚輝内野手(22)が3日、今季初のシートノックに参加。「二-遊-一」の併殺練習で持ち味が出た。二塁寄りのゴロのイレギュラーバウンドに反応。滑り込みながらグラブで捕球し、すぐさま右手に持ちかえて遊撃へとトス。併殺を完成させた。「早く、早く、正確に。難しい打球でもまずは捕ることを意識する」と冷静な判断ができたと振り返る。

 先輩に負けない力がある。日刊スポーツ調べで14年にFA移籍した名手片岡(現2軍内野守備コーチ)の「二-遊-一」の捕球後の送球平均タイムは0秒30。吉川尚は0秒32だったが、最速は0秒29と引けを取らない。井端1軍内野守備走塁コーチも粗さがあるとしながら「スピード感は球界でもトップレベル」と能力の高さを認めた。

 目指すは2年目の坂本勇だ。08年にキャンプから紅白戦、オープン戦などで全試合出場。21試合で70打数19安打、打率2割7分1厘の成績で開幕スタメンを勝ち取った。2年目の吉川尚も今季は紅白戦から実戦全試合出場を掲げ「結果を出すのが一番。アピールしたい」と意気込む。9日の紅白戦から開幕までは全25試合を予定。「1日1日が勝負です」と結果を積み上げていく。【島根純】