楽天藤平尚真投手(19)が、Newスライダーで開幕ローテを当確させた。5回2死走者なしから主砲鈴木。その1球目。外角へカット気味に曲がる変化球で空振りに仕留めた。「小さい曲がり幅のスライダーをキャンプから取り組んでいる」。新球種を見せ球に「力勝負したかった」。そこから2球続けて直球を投じ、右飛に打ち取った。

 成果が出た。13日から始まった沖縄・金武町での2次キャンプから、ブルペンで特訓が始まった。これまでは曲がり幅の大きいスライダーが主流。「大きいと相手に間を与える。特に左打者の内角には、甘く入りがち。直球の軌道から少しだけ曲がる方が打者には嫌だと思う」という狙いをもって、左打者の左足に食い込むイメージで投げ込みを続けてきた。

 この日は最速の145キロ直球を主体に、カーブ、フォークも織り交ぜ、侍ジャパンの田中、西川らも完璧に料理。16日の阪神戦(練習試合)に続き、2戦連続の3回パーフェクトピッチングだ。19歳とは思えない安定感に梨田監督は「当然入るでしょう」と大きくうなずき、開幕ローテ入りを明言した。

 同学年の前でも、成長した姿を見せた。藤平と同じ4回から2番手で登板した広島の高橋昂は「高校BIG4」としてライバル関係にあった。「やっぱり同級生には負けたくないって思っている。開幕ローテで満足するのではなく、そこは通過点と思って1年間1軍で。気を引き締めてやりたい」。ルーキーイヤーの昨季は8戦3勝(4敗)。新たな投球術で、勝ち星をたぐり寄せる。【栗田尚樹】