巨人上原浩治投手(42)が「Vフォーム」に変えた。23日の楽天戦から体をひねるように左足を上げ、顔の前にあったグラブはへそ下まで下げた。「この2日間、00年、02年のビデオを見て、過去のフォームに戻した。(振り返りは)全くしたことがない。過去のビデオを見ないタイプ」ながら昔の自分からヒントを模索。セ・リーグを制覇した過去の投げ方で国内復帰後初めて3者凡退に抑えた。

 開幕に間に合わせるために「日本のマウンドに対応していかないといけない」と決断。登板後も自主的にブルペンに入り「セットポジションも前に戻そうと思って」と投げ込んだ。

 7回をピシャリと締めてリズムを作ると逆転劇を呼び込み、初白星を得た。高橋監督は「球場の雰囲気が変わる。上原の存在感が特別なのかな」と目を細める。上原は「まだよそもん。Tシャツに背番号が入ってないし、早く巨人の一員になりたい」と笑いを誘ったが、投げれば空気が変わる。V奪還へ、頼れる42歳が最終仕上げを終えた。