「お久しぶりです。元気ですか?」。東都大学リーグの中大-立正大2回戦の試合前、神宮球場で懐かしい選手に会った。声の主は中大1年生の大関秀太郎投手(作新学院)だった。人懐っこい笑顔は相変わらずだったが、少し体が大きく見えた。

 最速139キロの直球、スライダー、チェンジアップを小気味よく投げ込む左腕で、作新学院では3年春、夏にエースで甲子園に出場した。開幕カード2、3戦目だった東洋大戦で初めてベンチ入りしたが、2カード目の亜大戦、今カードの立正大戦はベンチから外れた。

 一足先に公式戦デビューしたチームメートに刺激を受ける。作新学院で4番だった中島淳内野手は東洋大に進学し、中大2回戦でスタメン出場。俊足巧打の外野手でプロからも注目された鈴木萌斗外野手は早大に進学し、明大2回戦で代走デビューし、初安打も放った。

 大関 みんな、頑張っていますからね。いいなと思いますけど、僕も負けないように頑張ります。

 高校時代も悔しさを糧にはい上がった。高2夏は栃木大会で登板しながら、甲子園はベンチ外。決勝戦ではグラウンドでボールボーイを務め、エース今井(現西武)から「来年いけよ」と声を掛けられ、発奮した。「レベルアップできるように、一生懸命練習します」。新たな舞台でも、再びはい上がる。【久保賢吾】