左ひざを着くほどのフルスイングも、バットはボールの下だった。日本ハム清宮幸太郎内野手(18)は7回の第3打席で、ソフトバンク武田の内角高め148キロ直球に空振り三振。「強い真っすぐで、うまく(バットが)合わなかったですね」。直球を待っていながら、仕留められなかった。力強さを感じる剛球に、プロの技術を思い知った。

 カーブ、スライダー、どれをとっても一級品のボールに手も足も出なかった。この日、清宮が臨んだ全15球で、バットに当たったのは3球だけ。第1打席はスライダーを打たされ一ゴロ、第2打席は149キロ直球に空振り三振だった。試合前のフリー打撃では右翼席最上段へ推定145メートル弾をたたき込み、敵地のどよめきを誘っていただけに「スイングは悪くないと思うんですけど」と、もどかしさをこらえた。

 9日オリックス戦(京セラドーム大阪)の第1打席でプロ1号を放って以降、19打席連続無安打となった。城石打撃コーチは「最初は良い意味で、何も考えずにバットが振れていた。今は(配球などを)考えすぎて直球に差し込まれているけど、考えることは大事。結果が出なくて悔しいだろうけど、こういう経験は必要」と話す。背番号21は「甘い球を捉えること、球の見極めだったり…。打てなかったですし、課題をたくさん与えてくれて、自分の成長につながると思っています」。1軍での出場は、11試合。宿題と日々、向き合っている。【中島宙恵】