丸よ早く帰ってこい! 広島緒方孝市監督(49)が13日、丸佳浩外野手(29)に早期復帰指令を出した。4月29日に「右太もも裏の筋挫傷」で出場選手登録を抹消されてリハビリ中。マシン打撃や軽いジョギングを再開し、順調な回復具合を見せている。指揮官は攻守の要を29日から始まる交流戦までに戦列に戻し、盤石の首位固めを期す。

 好調広島も天候には勝てず、2連勝で迎えた阪神戦は降雨中止となった。雨粒がアスファルトをたたく音を聞きながら緒方監督はマツダスタジアムを後にした。「この雨では仕方がない。また名古屋でやるだけ」。明日15日からの中日戦へ気持ちを切り替えた。

 チームは前日リーグ最速で貯金を10に増やし、上昇気流に乗っている。大瀬良や岡田ら先発陣が安定感を増し、好調だった打線はベテラン新井が加わり厚みを増した。貯金7で迎えた5月も3つの貯金を積み重ねた。勢いを加速させながらも、指揮官は丸の復帰を切望する。「今でも代打で使いたいくらい。ゆっくり調整させる時間は与えない」。4月29日に「右太もも裏の筋挫傷」で出場選手登録を抹消されてリハビリ中の背番号9に、エールを込めた早期復帰指令を出した。

 丸はすでにティー打撃を再開しており、前日12日からマシン打撃も再開した。キャッチボールや軽めのジョグもできるようになっている。「違和感なくできている。あとは実戦から離れているので」。今後は直線の加速走、切り返し動作、スパイクを履いて練習と段階を上げていく。出場選手登録抹消からちょうど2週間、福永3軍チーフトレーナーは「非常に順調だと思います」とうなずく。

 順調な回復ぶりに、緒方監督は残り2週間での復帰指令を出した。「下(2軍の試合)で走れたら上げる。交流戦までには絶対間に合わせる」。交流戦はペナントレースの行方を大きく左右することが多い。ベストメンバーを整えたい考えだ。丸が3番に戻れば、代役を務めるバティスタが5番や6番に回れ、打線の厚みは増す。丸は「こればっかりは1段飛ばしにはいかない」と慎重を期すが、「1日でも早くいけば」という気持ちは強い。役者がそろえば、3連覇への道筋も描けるはずだ。【前原淳】