今年も鬼門なのか…。首位を走る広島は、敵地での中日戦に2桁失点の大敗を喫し、ナゴヤドームで4戦4敗となった。先発の中村祐太投手(22)がプロワースト6失点の4回KOで今季初黒星。打線も反撃して一時は2点差に詰め寄ったが、最後は突き放されて連勝が2で止まった。昨年も5勝6敗2分けと負け越した球場で、早く流れを変えたい。           

 またもナゴヤドームで中日に屈した。開幕3戦3勝と好調だった中村祐でも流れを変えられず。竜打線のえじきとなった。球団では11年ブライアン・バリントン以来、日本人投手では00年佐々岡真司以来の開幕4戦4勝を狙うも、序盤から甘い球を痛打された。

 「自分のことより、チームの連勝を止めてしまった方が悔しい。高いマウンドにアジャスト(適応)できなかった。傾斜がある分、体をコントロールできなかった。気持ちの整理がつく前に打たれた。焦りを生んで、ズルズルいってしまった」

 初となるナゴヤドームのマウンドで経験不足を露呈してしまった。1回は大島の右前打に続き、昨季も本塁打を許した京田に右越えの先制2ラン。直球が高めに浮いた。ここまでわずか6球。これで冷静さを失ってしまった。

 3回は京田に四球と盗塁の無死二塁で、アルモンテにバックスクリーン右へ2ラン。1死後、福田にもバックスクリーンへ5点目となるソロを浴びた。4回も犠飛を許して降板。3本の被弾はすべてが直球で、130キロ台にとどまった。緒方監督も「球が走っていなかった。キレも良くなかった」と顔をしかめた。

 継投に入った中盤は耐えて逆転をうかがったが、終盤にアドゥワ、長井と若い救援陣が打たれて万事休す。中日にはホームの開幕3連戦3連勝も、その後名古屋で4連敗。別人のような戦いぶりだ。リーグ王者にとって数少ない鬼門となりつつある。高ヘッドコーチは「場所は関係ない。10点取られたのはいけないが、攻撃では4点取っている。手も足も出なかったわけじゃない」と前を向いた。

 ビジターでの試合は9勝10敗と黒星が先行した。2位巨人も敗れたため3・5ゲーム差は変わらず。ナゴヤドームへの苦手意識が生まれる前に、早く勝って落ち着きたい。【大池和幸】