日本ハムの交流戦は敵地での巨人3連戦から幕が開ける。28日、東京都内でNPBの開催概要会見に出席した中田翔内野手(29)は「やるからには1番を狙うくらいの気持ちでやっていきたい」と、期間中のパ・リーグ首位奪取を目標を口にした。シーズンの行方を占う交流戦は、17日まで。リーグ戦再開までに、獅子を首位の座から引きずり下ろす。

 会見を終えると、壇上で見せていた穏やかな笑顔は消えていた。交流戦の会見にチームを代表して出席した中田は「チームがすごくいい勝ち方をした上で、交流戦に入れる。やるからには1番を狙う」。前日27日まで敵地で行われた西武との首位攻防戦では、2試合連続延長戦の激闘を制して3連勝。獅子のシッポは、もう目の前だ。

 会見では、対戦したい選手にDeNA筒香の名前を挙げた。投手ではなく、あえて同じ和製大砲を選んだ。「ゴウの豪快な打撃を楽しみにしている。代表戦でフリー打撃を近くで見た時もホレボレする打撃をしていた」と、侍ジャパンでともに中軸を担った後輩を持ち上げ「うちが勝っていれば、本塁打1本くらいならいいかな」と不敵に笑ったが、本音は違った。「あんなのリップサービスだから。そりゃあもう、負けたくない」と、ライバル心をむき出しに。前日27日西武戦では右太ももの張りでベンチスタートも「交流戦ではしっかり守っていかないといけないので、監督が配慮してくれた。次は行けるよ」と、万全の状態だ。

 パ球団は交流戦8連覇中とめっぽう強いだけに、取りこぼしは致命傷になりかねない。3季ぶりに負け越した昨季は、最終的にシーズン5位に沈んだ。「勝ち負けが存在する以上、勝たないとおもしろくない」と、見据えるのは交流戦V、そしてリーグ戦首位。「『いい形でリーグ戦に戻れます』と言えるよう、1戦目から大事に戦う」。今日29日巨人戦から、気の抜けない戦いが始まる。【中島宙恵】