中日平田が球宴出場の御礼快打で、13安打10得点の大勝を呼び込んだ。6月23日のDeNA戦以来、今季2度目の3番右翼。初回2死走者なしでメッセンジャーの146キロの直球を強振。打球は右翼線をきれいに転がった。「いい感じで打てた。右へしっかり打てた」。平田にとって好調時のバロメーターとなる右打ちを自画自賛した。そこから満塁の好機が生まれ、高橋、福田の連続適時打で一挙4点を奪い主導権を握った。

 3回にも先頭でセンター前へクリーンヒットを放つと、6回にもショートへ内野安打。ダメ押しの8点目をもぎ取り、メッセンジャーをマウンドから引きずり降ろした。続くビシエドの左中間への二塁打では、一塁から本塁へ激走。今季4度目の2桁得点を運んだ。

 「右中間、左中間への打球で本塁へかえって来れるか、来れないかで違ってくる。かえることが他の選手への刺激につながる」。前日監督推薦で球宴出場を決めたお礼とばかりに、今季7度目の猛打賞。昨年痛めた右膝の故障も癒えた。平田の全力疾走が、この日から始まった前半ラスト9連戦を勢いをもたらせた。

 「タイムリーが出たから点が取れたんだろ」。残った借金が8つあるだけに森監督はサバサバと答えた。中日一筋13年目の平田は「球宴では記憶に残るプレーをしたい」と意気込む。連敗ストップをけん引したこの日のプレーは、竜党の目に焼きついたはずだ。【伊東大介】