千手観音投法じゃ!! 広島の新外国人ジョニー・ヘルウェグ投手(29)が5日、広島・廿日市市にある大野練習場で来日初ブルペン投球を行った。チェンジアップやスライダーなど、変化球を中心に31球を投じた。2メートルの長身からスリークオーターの腕の角度を変える“千手観音投法”を披露。日本デビューは16日からのウエスタン・リーグ中日3連戦(ナゴヤ)のいずれかとなりそうだ。

 長いリーチをしならせ、ブルペンにミット音を響かせた。新外国人ヘルウェグの来日初ブルペンに、練習中の2軍選手も動きを止めた。変則的に動く直球だけでなく、スライダーやチェンジアップなどの変化球を含め31球。スリークオーターの腕の角度は1球1球異なり、低いときは横手投げに近い。「感覚で(腕の角度を)変化させることを大切にしている。角度によって相手打者の感じ方も違うと思う」と、“千手観音投法”を披露した。

 身長は2メートル。リーチが長いことでリリースポイントも打者に近い。捕手の後ろで投球を見守った佐々岡2軍投手コーチは「球が動くし、(ホームベースの)ベース板の上でも強い。クイックももっと早くなるのでは」と話した。また、やや腕を下げた球の軌道も「角度のある球を投げているので、右打者は怖いのでは」と高評価した。

 日本の公式球を初めて使った投球にも、大きな違和感はなかった。「最初は滑ったが、汗をかき、ロジンや土を使えば指のかかりは良かった」とヘルウェグはアジャストできる自信をのぞかせた。また、米国時代から日本食が好物で、右手で箸を器用に使いこなす。来日5日目だが、日本への順応は順調といえる。

 チームでは、勝ちパターンの一角として期待されている。米国では現地時間6月30日までキャッチボールを続けてきただけに「あと1回ブルペンで投げれば、(実戦登板も)いける感覚はある」と胸を張る。ただ、サインプレーの確認やセットポジションからの投球の微修正などが必要。日本デビューは16日からのウエスタン・リーグ中日3連戦のいずれかが見込まれる。同日は1軍もナゴヤドームで中日3連戦だけに、緒方監督が直接視察に訪れる可能性もある。来日会見で「チームの勝ちに貢献することにこだわっていきたい」と語った右腕がベールを脱ぐときは、近い。【前原淳】