阪神岩貞祐太投手が地元熊本で一球入魂だ。両チーム無得点の4回から登板。

 1死一、二塁のピンチをしのいだが、5回につかまった。3連打で一挙2点を奪われた。

 「苦い思い出のままでした。熊本の方の前で思い切って投げられて幸せでした」。リブワーク藤崎台で登板するのは、熊本・必由館時代以来、9年ぶりだった。

 監督推薦で16年以来、2年ぶりの球宴出場を決めた際にも「高校3年の夏、最後に負けている。あそこで優勝したこともないし、悔しい思い出の強い球場です。成長した姿というか、堂々と思い切って投げたい」と気合を込めていたが、2回2失点だった。それでも凱旋(がいせん)登板で全力投球を見せた。

 16年に熊本地震が発生し、昨季から1勝につき10万円、1奪三振につき軟式球1ダースの寄付活動を行っている。今年の夏は、投げて地元に恩返しした。