まさに一撃必殺だ。ソフトバンク長谷川勇也外野手(33)が14年以来4年ぶりの4安打で、17安打14得点と爆発した打線をけん引した。しかも本塁打、二塁打、単打、本塁打と“サイクル越え”の大当たり。13年に首位打者と最多安打を獲得した安打製造機が輝いた。

 2点を先行されて迎えた2回1死一塁。主に代打起用され、今季4度目の先発だった長谷川勇は「代打で行くときと同じように、一撃必殺というか、1球で仕留めるつもりでいった」。甘く入った直球を逃さず弾丸ライナーで右翼席へ今季1号の同点2ラン。プロ初先発の大竹へ「筑後(2軍)でやっているときも、どんどんストライクを取ってリズムが良かった。なんとか力になりたかった」と大きな援護点をプレゼントした。

 右足首の故障で「去年はもう野球をやりたくないと思うときもあった」。昨オフに手術し、その苦しみから解き放たれた。再び打撃磨きに集中できる。7月中旬から取り組む練習の1つが「悪球打ちティー」。わざとランダムなコースにトスを上げてもらい打ち返す。「基本のスイングはできてきた。代打が多いので、思っていない球が来ても対応しないといけない」。この日の第4打席。三塁打が出ればサイクル安打という6回1死一、二塁では「見逃せばボールだった」という高め直球を打ち3ラン。打撃職人の真骨頂だった。柳田の欠場が続き苦戦していた中で、頼もしい男が完全復活の兆しを見せた。【山本大地】