7月に加入したソフトバンクの左腕ミランダが、強打の西武を8回まで無安打に封じる好投で、来日初登板から2連勝で2勝目を挙げた。

球団では1リーグ時代の43年に南海の別所昭が達成して以来のノーヒットノーランが見えた。ミランダも「そういう気持ちでいった」とやる気満々だったが、9回、先頭の秋山に甘く入ったスライダーを右翼フェンスまで運ばれ、快挙を逃した。

その直後、就任4年目で初めて工藤監督が直接マウンドへ向かった。「(無安打が)途切れた時、本人の顔を見て判断しようと。本人もまだいきたいと言っていたので」と続投を決断。1点を失いなおも2死一、二塁のピンチを迎えたところで降板となったが、「見ていてワクワクドキドキした」と快投をほめた。

直球は最速150キロ。同じ腕の振りから投げ分ける勝負球の落差が大きいスプリットとタイミングをずらすチェンジアップがはまった。「子どものころから練習した球。米国のボールより少し小さいし縫い目もあって制球しやすい」と、低めに器用に操った。

メジャー通算13勝左腕はお立ち台で「アリガトウ」と大きな声を出し、「野球人の中で一番好調なマウンド。逆転優勝へ頑張りたい」と言った。首位西武とのゲーム差は6に縮まった。連覇をあきらめていないチームを加速させた。【石橋隆雄】

◆アリエル・ミランダ キューバ・ハバナ州出身の29歳。13年までキューバリーグでプレー。亡命を経て15年にオリオールズとマイナー契約。16年にメジャーデビューし、同年7月にマリナーズ移籍。来日初登板の18日のオリックス戦では先発し5回2/3、2失点で初勝利。188センチ、86キロ。左投げ左打ち。