ソフトバンクが1点差でロッテに競り勝ち、試合がなかった首位西武とのゲーム差を再び4に縮めた。

同点の8回、今宮健太内野手(27)が左翼フェンス直撃の適時二塁打を放ち、決勝点をたたき出した。今宮は16試合連続安打と打撃絶好調。初回のバントミスを取り返した。今日7日からは9日ぶりに本拠地ヤフオクドームに戻り、オリックスと3連戦を戦う。

今宮が、ロッテ涌井の高め直球を豪快に左翼フェンスにぶち当てた。「高い球をポップフライになることなくしばけてよかった」。同点の8回1死三塁、風速10メートル前後の強風にも負けない弾丸ライナーで決勝打となる適時二塁打にした。

汚名返上だった。初回無死二塁で、バントを試みたが真ん中の直球をまさかの空振り。飛び出していた二塁走者牧原が捕手からの送球で刺され、先制機をつぶした。歴代9位の通算290犠打を記録する今宮にとって「凡ミス」だった。それでも6回、まずは守りでチームを救った。

1点リードされた6回1死一塁。清田の打球は三遊間へのハーフライナーとなり、今宮がダイビング。逆シングルでつかみ、ヒットエンドランで飛び出していた一塁走者もアウトにして併殺に仕留めた。「あの守備は今年一番のプレーだった。大竹はテンポがいい。頑張っていたので何とか勝ちをつけたかった」。直後の7回は先頭で中安打を放ち、出塁。グラシアルの押し出し四球で同点の本塁を踏んだ。

これで16試合連続安打。チームの好調さと合わせるように、今宮のバットも好調だ。前カードの楽天戦でバットの在庫が切れそうだったが、千葉遠征で3本、メーカーから無事補充した。「(連続安打を)プラスにとらえて打席に立っています」。前回無安打だった8月15日の打率は2割3分1厘だったが、翌日から安打を重ね2割6分3厘まで数字を上げてきた。8月4、5日オリックス戦での連敗以来、23試合連敗がない。試合がなかった首位西武とは4ゲーム差に縮めた。工藤監督も「みんなで勝ち取った勝利」と手応え。西武猛追の勢いは衰えそうにない。【石橋隆雄】