金本阪神が中日松坂大輔投手(38)に屈辱の3連敗を喫した。首位広島に勝ち越し、前日12日も大山の3ランなど先発野手全員安打で快勝と、9月に入って打線上昇のはずが、この日はレジェンド右腕の前に5回5安打で1得点。6勝目を献上した。巨人が敗れ、CS圏内3位まで1・5ゲーム差キープは救いだが、2年ぶりに本拠地甲子園での負け越しが決まった。

金本監督は渋い表情で首をかしげた。中日松坂にこの日も粘投を許し、これで対戦3連敗。「う~ん、なんでかな。うちだけじゃないかな、松坂を打てないのは。なんでかな。得点圏に行ってもね…」。明確な要因を見つけられないだけに、余計にもどかしかった。

キャプテン福留を右太ももの張りで欠いて2試合目。今度こそ「平成の怪物」を打ち砕きたかったが、前夜12安打8得点の打線が沈黙した。1点先制を許した直後の1回裏はあっさり3者凡退。2回は無死一、二塁の好機をつくりながら、6番ナバーロがカーブにまったくタイミングが合わずに3球三振。7番伊藤隼の痛烈なゴロが一塁正面を突くと、8番梅野は外角からシュート気味にベースをかすめる144キロに手が出なかった。この回、勢いをそがれたのが痛恨だった。

5点を追う4回は1点を返した後、なおも1死二塁で後続が凡退。5回は2死から連打と盗塁で二、三塁まで持っていくも、9月絶好調の3番大山がフルカウントから外角ボール球のスライダーを振らされた。丁寧に低め、両コーナーに投げ続ける粘り腰で5回1失点にまとめられ、西武時代の06年6月9日以来、4479日ぶりとなる甲子園星を献上。指揮官は「要所要所はコーナーに決まっていた。いい当たりが正面を突いたところもあったしね」と最後はたたえるしかなかった。

3位巨人との1・5ゲーム差は変わらずも、2位ヤクルトとは4・5ゲーム差まで広がった。今日14日からはまだ福留のスタメン復帰が厳しい状況で、そのヤクルトと甲子園2連戦を戦う。再び総力を結集しなければ、CS進出圏内が一気に遠ざかる可能性もある。今季甲子園では19勝31敗1分け。11試合を残して、早くも聖地での負け越しが決まってしまった。「残り、頑張るだけです」。変わらぬ大歓声を、今日こそ力に変えなければならない。【佐井陽介】

▼阪神は今季の甲子園での負け越しが決まった。13日現在19勝31敗1分けで、残り11試合に全勝しても5割に届かない。甲子園での負け越しは、16年26勝36敗1分け以来、2年ぶり。

▼阪神は最短で16日に今季リーグ優勝の可能性が消滅する。同日まで広島○○で阪神●●●が条件。17日以降に広島が全敗しても、76勝65敗2分けで勝率5割3分9厘。阪神が全勝しても76勝66敗1分けの5割3分5厘で、広島を下回る。