日本ハム中田翔内野手(29)が、2年ぶりに100打点に到達した。5点を追う9回無死満塁で放った中犠飛で自身4度目の節目を刻み、犠飛のシーズン最多記録には、あと2本に迫った。この日は16日で芸能界を引退した安室奈美恵さん(40)の曲を選手が登場曲に使用したが、平成の歌姫の力を生かせず、手痛い連敗を喫した。再び自力優勝の可能性は消滅。今日17日に西武が勝てば、勝敗に関係なく優勝マジックが点灯する。

敗戦ムード漂う土壇場で、最大の盛り上がりを演出した。5点を追う9回無死満塁。中田が「You,re my sunshine」に乗って、打席に入った。オリックス増井の2球目。高めの直球151キロを振り上げ、100打点目のメモリアルな中犠飛につなげた。糸口をつかみかけたが、後続は続かず。中田は「簡単に言うとボロ負け」と、手痛い連敗に打ちひしがれた。

節目の一打より、重くのし掛かる敗戦だった。大台到達は自身2年ぶり4度目。今季13犠飛で歴代最多に、あと2本とした。「自分のことは、どうでもいい」と切り捨て「ただの負け。チームがこういう状況なので、やるしかない」と目を血走らせた。栗山監督は「しっかり投打かみ合って、バランス良く戦っていけるように頑張ります」と足元を見つめ直した。

旋律は、悲しげに響いた。16日で芸能界引退した安室の曲を、出場14選手が登場曲に使用。被災した北海道民を勇気づけようという演出で、西川や大田らが選曲に携わった。完封負けから一夜明けた、この日。計45曲のメドレーが流れた。攻撃時はコンサート会場のような盛り上がりを見せたが、名曲に乗せた快音を響かせることは出来なかった。

首位攻防戦の裏で、追撃音を強く奏でるはずだった。西武、ソフトバンクの3連戦中に白星を積み重ね、優勝争いへ迫るはずだった。だが、まさかの連敗で再び自力優勝の可能性が消滅。今日17日、西武は勝てば優勝マジックが点灯する。主砲は「考えるとか、レベルの低い話じゃない。やるしかない」。逆転優勝への道が絶えない限り、進み続ける。【田中彩友美】

▼中田が9回に犠飛を放ち、2年ぶり4度目のシーズン100打点。100打点以上の回数は王(巨人)の14度が最多だが、日本ハムで4度は大杉、小笠原を抜く球団新記録。また犠飛は今季13本目で、シーズン最多の70年大杉(東映=15)に次ぐ単独2位。