3位日本ハムは敵地のヤフオクドームで2位ソフトバンクとの直接対決に臨み、今季ワーストに並ぶ2安打シャットアウト負けを喫した。初対戦の相手左腕ミランダの投球術に幻惑され、放ったヒットは内野安打2本だけ。2点を追う9回1死二、三塁の好機も生かせなかった。今日24日の同戦で敗れるか、首位西武が楽天に勝てば、日本ハムのリーグ優勝の可能性は消滅する。

日本ハムのルーキー清宮が、下唇をかんだ。0-2で迎えた9回1死二、三塁。栗山監督は「まずは追い付かないと何も起こらない」と、二塁走者の4番中田に代走を送って勝負に出た。打席には、清宮だ。カウント1ボール2ストライクと追い込まれてからの4球目。思い切り振ったバットは、カットボールの下を通過した。長打で同点、1発なら逆転の場面。よほど、悔しかったのだろう。空振り三振に倒れた19歳は「僕が普通にダメだった」と、言葉少なに球場を後にした。

相手先発の左腕ミランダを、攻略できなかった。150キロ近い直球に、チェンジアップ、フォークボールを交えて幻惑する。7回途中まで投げたミランダに対して、内野安打1本打つのがやっと。左腕ながら左打者に弱いというデータから「6番DH」で先発起用された清宮も2打数無安打と歯が立たず「直球とチェンジアップの腕の振りが同じ感じで、いい投手だと思いました」と、初対戦となったキューバ出身左腕の実力に舌を巻いた。

9回に清宮が凡退した場面を振り返った栗山監督は「あれを決められるように、いつかはなる。今は、まだ責任はこっちにある。この悔しさを胸に秘めてくれればいい」と敗戦の中にも光を見いだしていたが、2位ソフトバンクとのゲーム差は今季最大の5に広がった。奇跡は、起きるのか。今日24日に負けるか、首位西武の結果次第では、優勝の可能性が完全に消えてしまう。【中島宙恵】