阪神矢野燿大新監督が18日、大阪市内のホテルで就任会見に臨み、「来年、優勝をもちろん狙う」と1年目での14年ぶりリーグ制覇を誓った。また、出演したラジオ番組で、辞任した金本前監督の話題に触れ、「2人で話すことができて僕の背中を押してくれた。金本監督が僕の背中を押してくれたので、受けることができました」と監督就任受諾の決定打になった秘話を明かした。

会見の終了間際、来季の戦いを問われると「もちろん、もちろん勝負やん。勝負に行くよ。3年後に優勝なんてみじんも思っていない。来年、優勝をもちろん狙うし、ファンを喜ばせるのに3位でいいことはない。そんな、のんきなことは思っていない」。

「俺は、やっぱり理想は点を取りたい。それがファンも喜ぶ。甲子園で点を取っているときの、あの流れが一気にできたときの雰囲気をファンは求めている。守りの緊迫した部分は捕手としてはいいんだけどね」。

「03年が俺の中での理想。みんながヒーローになって、逆転もあって。コイツら何するんやろ、どんな試合すんねんとか…。03年はそういうのが多かった。俺も理想は点を取って勝ちたい。一番いいなと思う」。

前任の金本監督と再建を目指したが志半ばだ。「本当にいろんな思いがある。胸の内に秘めて戦っていくのが僕は一番いい」。意志を継ぎつつ、自らのカラーも出す。「僕には僕にしかできないものもある」。

「(1軍は)歯車がうまくいかなくて勝てない年になったけど、チームとして後退しているとは思わない。みんなが力を出したら、全然、優勝は可能。僕は前に向いたプレーが好き。タイガースファンの人も消極的なプレーや引いたプレーは見たくないと思います」。

その他の一問一答は以下の通り。

-今の率直な気持ちは

矢野新監督 初めてのことで不安や怖さが、もちろんありますが「よしやってやるぞ」という気持ちに向いています。秋や春のキャンプ、オープン戦と行くなかで不安や怖さを自信や期待に変えていけるようにやっていければいいという気持ちです。

-受諾決断の決め手は

矢野新監督 今年、2軍監督をして、選手に「チャレンジしようぜ」「いま三振しても次の打席で取り返せばええやないか」と、投手にも「打たれても、次の打者を抑えればいいじゃないか」と。日々、メンタルの部分を選手に伝えてきた。そう言っている自分が今回、逃げる、やらない選択をしたときに選手に対して僕が言ってきたこともウソになってしまいます。僕も挑戦していくべきだなと思ったのが一番大きいですね。

-理想の監督像は

矢野新監督 いろんな監督にお世話になりました。今年、2軍でも自分の口で選手に伝えているけど、この監督に教えてもらったことだなとか。でも、僕には僕にしかできないものがある。参考にさせていただきながら、自分らしい監督を作り上げていければと思っています。

-いま最も必要なもの

矢野新監督 数字的なことを言えば、もちろん打てること、得点を上げることはチームの課題。僕は闘争心、前に向かっていくというか、そういう気持ちの部分。すごくチームというのは変わる可能性を持っていると思う。

-楽しみな若手はいるか

矢野新監督 きれい事でもなくて、僕は全員だと。2軍でも、まだ試合にも出られませんでしたけど、横田も含めて。横田自身もベンチで試合には出られないけど、ベンチで一番声を出してやっている姿も見てきました。

-伝統の巨人戦は

矢野新監督 阪神ファンの方が一番喜んでくださる試合。伝統を受け継いで、全力でぶつかっていくし、広島がいま、強い時代に入ってますがジャイアンツは間違いなくライバルとしてあるチーム。

-理想と現実について

矢野新監督 現状、自分のチームを分析して来年から急にホームランが増えるかとかはね。得点力を上げていかないといけないけど、これからの課題になる。理想と現実が違う部分も受け止めて、やっていきたい。