梅ちゃん、田淵になる! 阪神梅野隆太郎捕手(27)が29日、都内で「第47回三井ゴールデン・グラブ賞」の表彰式に出席した。パ・リーグ捕手部門受賞者で、日本一を導いたソフトバンク甲斐拓也捕手(26)に発奮。来季は矢野監督を胴上げし、阪神捕手では73&74年の田淵幸一以来45年ぶりの2年連続受賞で、歴史の扉をこじ開ける意気込みを明かした。2回受賞なら矢野監督にも並ぶ。梅ちゃんが名捕手ロードを行く。

初めて登壇したゴールデン・グラブ賞の表彰式。梅野は日本一捕手と並び立ち、新たな誓いを立てた。「キャッチャーでも、ああいう舞台でMVPを受賞された。そういうチャンスもあるんだと思いながら、ひたむきにもっとやっていきたいと思っています」。パ・リーグ捕手部門の受賞者は1学年下のソフトバンク甲斐。日本シリーズで広島が狙った6盗塁を“甲斐キャノン”で全部刺し、史上初の0打点でMVPになった時の人だ。

同じ九州出身で大学時代から親交のある2人。プロ入り後も、2軍の試合で会えば言葉をかわすなど交流を重ねてきた。「自分は初受賞ですけど、ここで会えるというのは、自分はすごくうれしく思います。こういう舞台で出会えたことは本当に刺激になります」。もちろん同じ捕手として、甲斐の存在が発奮材料にならないはずがない。

今季、ソフトバンクはリーグ2位から日本一になった。一方で、阪神は17年ぶりの最下位に低迷した。「1回こういう表彰をしていただけると、やっぱり2回、3回と取りたい賞になります。それにプラス、チームの成績も。もちろんキャッチャーとしての責任感を持って、優勝した中で、ゴールデン・グラブ賞を取れたらなと思います」。

梅野は今季、キャリアハイの132試合に出場し、巨人小林に次ぐリーグ2位の盗塁阻止率3割2分を記録した。だが優勝チームに名捕手ありと言われるように、白星を導いてこそ評価されるポジションでもある。恐らく日本一の甲斐は、自分の何倍も、心からこの賞がうれしいはず。自身も「勝てる捕手」になるために、さらなる守備率と盗塁阻止率アップを目指す。

ゴールデン・グラブ賞は矢野監督も現役時代に2度受賞するなど、名捕手に与えられてきた。阪神の捕手で2年連続受賞となれば、73、74年の田淵幸一以来2人目となる。「もちろん目標にしていきたい。歴史ある先輩たちに追い越せ追い抜け、そういう感じでやりたいですね」。来季は矢野監督を胴上げして、再び黄金のミットを受け取るつもりだ。【磯綾乃】