【ホノルル18日(日本時間19日)=古川真弥】連覇のカギは「マンネリ防止」にあり。西武元監督でハワイ在住の森祗晶氏(81=日刊スポーツ評論家)が、10年ぶりのリーグ優勝を果たした辻監督にエールを送った。

輝く太陽の下、森氏はアロハシャツ姿で現れた。86~94年の在任9年間で8度のリーグ優勝、6度の日本一に輝いた名将は「辻がライオンズを変えた」と愛弟子をねぎらった。来季も優勝するには何が必要か? 連覇の難しさを誰よりも知るだけに、即答した。

「マンネリが一番怖い。去年と同じ戦力で同じように戦っても、うまくいくものじゃない。少しずつチームを変えていくことが大事。選手に何か言うにしても、辻が去年までと違う対象を指摘できるか、だな」

自らの経験を例に挙げた。就任1年目からリーグ優勝&日本一を果たすが、現状に満足しなかった。2年目、大胆なコンバートを実行する。秋山を三塁から外野へ、石毛を遊撃から三塁へ、遊撃には高卒3年目の田辺を抜てきした。「チームに刺激を与えた」。トレードも積極的に実行。鹿取、平野といった移籍組も黄金時代の主力となった。

炭谷、浅村、菊池の3人が抜ける。森氏は「周りは戦力ダウンと見るし、選手もそう感じるだろう。辻が選手にどう声をかけるか。『3人がいないから負けたと思われていいのか?』と、奮い立たせて欲しい」と期待した。主力流出は一見、不利だが、嫌でも新戦力出現が求められる。マンネリを防ぐ好機でもある。

優勝旅行でハワイを訪れた辻監督には「思い切りやればいい」と伝えたという。1年後も、ハワイへの来訪を心待ちにしている。