広島丸がセ・リーグの2年連続MVPに選ばれた。この2年で獲得したタイトルは17年最多安打と18年最高出塁率。チームは優勝したものの、打率、本塁打、打点のタイトルを取っていない。野手で2年以上続けてMVPに選出されたのは08、09年ラミレス(巨人)以来6人、9度目。07年小笠原(巨人)は無冠で選ばれたが、06年は本塁打王と打点王。2年とも打撃3冠部門のタイトルなしで連続MVPは初めてだった。

史上4位タイの130四球を記録した。ケガで連続試合出場が止まり、今季の出場は125試合。規定打席以上で四球数が試合数を上回ったのは9人、13度目。2リーグ制後は王(巨人=4度)と丸だけだ。シーズン最多四球は74年王の158個だが、王は敬遠が45個含まれていた。丸の敬遠は8個で、敬遠を除いた122四球は01年松井(巨人)の114個を抜いて最多となった。

王や松井は、記録上は敬遠にならなくても勝負を避けた四球が多い。カウント3-0からストレートの四球が74年王は77個、01年松井も40個あったのに比べ、丸は16個だけ。逆に、3-2のフルカウントから粘って選んだ四球が68個もあった。60年以降、フルカウントからの四球が60個以上は99年ペタジーニ(ヤクルト)64個と丸しかいない。選球眼の良い丸は球数を使わせて出塁した。結果、打率はリーグ14位でも最高出塁率のタイトルを獲得。両リーグで最高出塁率が表彰されるようになった85年以降、90年落合(中日)の13位を抜き、丸が最も打率順位の低い出塁率1位だった。

プロ入り最多の39本塁打を放った。これまで左投手からは通算24本、昨年は1本だったが、今季は16本へ激増。左投手から16本はソト(DeNA)に並び今季両リーグで最も多かった。右投手からは左翼へ11本、中堅へ2本、右翼へ10本と広角に打ったが、左投手からは16本のうち11本が右翼方向。左腕には引っ張り打法で1発を増やした。【伊藤友一】