豪快に「ハマの剛腕」を目指す。

DeNAドラフト4位の勝又温史投手(18=日大鶴ケ丘)が18日、ベイスターズ球場で行われた新人合同自主トレで4度目のブルペン入り。座った捕手へ、初めて投げ込んだ。

荒ぶる持ち味を存分に発揮した。ワインドアップで力をためると、一気に右腕を振りぬいた。スピンの効いた直球は暴れるように捕手のミットを上下に動かした。馬力満点の投球は26球中、約半分が逆球。「球の質に関しては問題ないです。後は高さとかですね。隣の上茶谷さんは低めに集まってたのですごいなと」と照れ笑いを浮かべながらも、納得の表情を浮かべた。

細部を突き詰めるよりも、まず長所を示した。最速152キロ。高校時代は「150キロ投げられれば有名になれる」と球速にこだわった。高校3年で大台に到達した直球がトレードマークの自負がある。制球はキャンプ中や実戦で磨きをかければいい。三浦投手コーチらが見つめる中「とにかく強い球を投げる」と明確に右腕を振った。

グラブに刻む言葉が、堂々の振る舞いの背中を押す。「勇気一秒 後悔一生」の文字。小、中学での指導者から受けた言葉だ。「勇気を出せなかったら一生後悔が残ることがある」と自らに言い聞かせ、どんな時も前のめりに向かう心構えを持つ。だからこそ、目標を語る言葉は大きい。仮契約時には「ハマの剛腕」になることを誓い、この日は「プロ野球界で有名になるには160キロ。実力を伴って、勝又ってすごいと思われるように」と掲げた。

自慢は荒れる直球だけでなく身体能力の高さ。体操選手さながらにロンダートやハンドスプリングをこなし、跳躍力もピカ一。「中学の時は高跳びで、学校の記録を持ってます。ベリーロールで170センチ飛びました」と抜群のバネがある。

意識するのは日本ハム1位の吉田輝星だ。メジャーで活躍する投手と同等の回転数を持つことをニュースで目にし「バッターとしては絶対打てない」と白旗を揚げながらも「球速としては勝ってますから」と最速150キロ右腕への対抗意識をむき出しにした。まずは2月1日から始まる春季キャンプに向け「長所を生かして、前面に出していきたい」と意気込む。誰にも負けない直球を磨く。【島根純】