昨季通算2000安打を達成したロッテ福浦和也内野手(43)が、今季限りでの現役引退を決意したことが23日、分かった。

94年に千葉・習志野高から入団し、ロッテ一筋26年目。今年は2軍打撃コーチ兼任が決まっている。地元球団で長く愛された千葉の誇りが、慣れ親しんだピンストライプのユニホームを脱ぐ。

プロ26年目を迎えるロッテ福浦が、今季限りで現役生活に区切りを付ける決意を固めた。日刊スポーツの取材に「もう今年で引退です」と明かした。家族や父親にも報告済み。今季は2軍打撃コーチを兼任することもあり、若手育成への思いが強まったという。後輩指導に重きを置いて「打者・福浦」として最後のシーズンに臨む。

福浦は昨年9月22日、首痛と闘いながら通算2000安打の偉業を成し遂げた。直後の会見で「来年もやるつもりです、まだまだ」と現役続行を明言。「井口監督をマリンで胴上げしたい。優勝をみんなと分かち合いたい」と、18歳から25年間を過ごしたロッテでの優勝を次なる目標に据えた。選手としてまだ体は動く。通算安打数を積み重ねたい気持ちもある。一方で、今後のロッテを強くしたいと考えるようになった。

昨季は5月まで1軍打撃コーチを兼任した。コーチ登録枠の関係で以降はプレーに専念したが、2000安打到達後も若手へのアドバイザーとして1軍に同行。指導者の目線を経験し「あいつらをどうにか育ててやりたい」と口にすることが増えた。昨年は安田、今年は藤原恭大外野手(18=大阪桐蔭)がドラフト1位と期待の新星も加入した。比重は育成への意欲に傾いた。教えるならば真剣に。自身の練習のかたわら-、というのは性に合わない

巨人上原と並んで球界最年長の43歳。この1月も沖縄で田村、香月といった20代前半の選手と自主トレを行った。12月の契約更改会見で「一緒にやることが若手を育てるプラスになれば」と話したとおり、姿勢で示した。「優勝を分かち合いたい」と今季、最後のチャンスにかける。

93年のドラフト会議。全64選手中最下位の64番目で指名された。同い年で同期入団の西武松井稼頭央(現2軍監督)が昨年引退し、あの年の指名選手は福浦だけになった。「習志野出身で、千葉にいたからここまで長くやれた。感謝しかない」。最後に名前を呼ばれた男が、一番長く現役を続けた。今度は26年分の経験と知識を、継承していく。

◆福浦和也(ふくうら・かずや)1975年(昭50)12月14日、千葉県浦安市生まれ。習志野ではエースで4番(甲子園出場なし)。93年ドラフトでは最終指名となる全体64番目(7位)でロッテ入団。1年目の94年夏に打者転向。4年目の97年に1軍初出場。01年首位打者。01~06年に6年連続打率3割以上。03年のシーズン50二塁打は01年谷(オリックス)の52本に次ぐ歴代2位。昨年9月22日、球団では榎本喜八、有藤道世に次ぐ3人目の通算2000安打達成。ベストナイン1度、ゴールデングラブ賞3度。今季は2軍打撃コーチ兼任。183センチ、88キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸2000万円。