広島で開幕投手最有力の大瀬良大地投手(27)が24日、広島・廿日市市の大野練習場で今年初のブルペン投球を行った。

九州共立大の後輩でドラフト2位の島内颯太郎(22)らが足を止めて見守る中、捕手を立たせて25球。周囲が息をのむ力強い球筋を示し「いいものはあったと思います」と手応えを口にした。バランスだけを重視した投球ながら、長田1軍ブルペン捕手から「もう行ける」と太鼓判を押される仕上がりだ。

今年もキャンプインまでに2度ブルペンに入る予定で、キャンプで捕手を座らせ、終盤の実戦登板に向けてギアを上げる。「基本的には昨年のペースをベースにやっていく」。最多勝と最高勝率を獲得した昨季の「2冠流」の調整で“開幕”に照準を合わせる。

フォームを大きく変えた昨オフと違い、今オフは微修正で完成度を高める。1年前は新フォームの評価や周囲の目を気にしたが、「今年は自分のやるべきことややりたいこと、この時期の目標だけを考えてできている」ときっぱり。昨年の好結果を自信に、地に足をつけた調整ができている。

いつものマツダスタジアムとは違い、大野練習場は若手が中心。ブルペン投球後、大瀬良の周りには戸田や矢崎らが自然と集まり、投球論を交わした。「(後輩への助言は)聞かれたり、悩んでいそうなしぐさをしていたら。引き出しになればと思って話はするようにしています」。リーダーとしての自覚も芽生えつつある。今年は先頭に立って、引っ張っていくつもりだ。【前原淳】