ソフトバンクのドラフト4位板東湧梧投手(23=JR東日本)が3日、宮崎キャンプのブルペンでエース千賀滉大投手(26)に絶賛された。低めの真っすぐを見た大黒柱が「速いし制球がいい。いろんな話をしたい」とぞっこん。新人の即戦力右腕はドラフト1位甲斐野、2位杉山が注目されてきたが、4位もスゴい。千賀期待のイケメンルーキーに大ブレークの予感だ。

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板東のキャンプ2度目のブルペンは左端のレーンで投げる千賀の隣だった。「気づいたら千賀さんの隣だった。空回りしないように自分の球を投げようとしました」。社会人JR東日本から一番大事にしてきた低めへの制球を意識した直球を58球投げ込んだ。

初めて板東の球を見た千賀は「速いし制球がいい。いろんな話をしたい。あれだけの球だと、技術を持っていると思うので」と絶賛。17年WBCで「お化けフォーク」を武器に世界を驚かせた右腕もうなり、技術論を語り合うことを希望した。3年連続2桁勝利を挙げているチームのエース格が、新人をそこまで高評価するのも異例だ。伝え聞いた板東は「お世辞でもうれしい。初日よりも今日は腕が振れていた」と喜んだ。

最速148キロ。甲斐野や杉山のように150キロを超える剛球はない。だが、受けた栗原は「球質がよかった。スーッと伸びて低めに来る。空振りが取れる真っすぐ」と、球速以上のキレを明かした。板東も「そつなくこなせる総合力で勝負したい。実戦に入って、すごい球ではなくても勝負できるんだということを見せたい」と、自身の特長を理解。実戦に強いタイプとして、キャンプ後半から本領を発揮するつもりだ。

鳴門(徳島)3年夏は甲子園で4試合、565球を1人投げ抜き、チームを8強に導いた。準々決勝では「カット打法」で話題を呼んだ花巻東の千葉翔太外野手に41球投げさせられたこともあった。社会人での経験も豊富で、ソフトバンクでは先発としても期待される。ブルペンを見た工藤監督も「まとまっている。ストライクを取るのに苦労する投手ではない」と評価した。

男性アイドルグループ「Sexy Zone」の中島健人やKAT-TUN中丸雄一に似ているとも言われる甘いマスクの持ち主。この日、取材で訪れたFBS福岡放送の石川愛アナウンサーも「すごくイケメンです。人気が出そうですね」と目を輝かせた。タカ・ガールからも人気を集めそうな背番号50に、乞うご期待だ。【石橋隆雄】

◆板東湧梧(ばんどう・ゆうご)1995年(平7)12月27日、徳島県生まれ。小学2年から「板東野球スポーツ少年団」で投手兼遊撃手として野球を始める。大麻中では軟式野球部。鳴門では13年の3年時に春夏の甲子園に出場した。JR東日本では17年日本選手権で全国デビュー。18年の都市対抗では4試合で防御率0点台をマークした。最速148キロ。182センチ、78キロ。右投げ右打ち。