胃腸炎で出遅れていた日本ハム有原航平投手が7日(日本時間8日)、アリゾナキャンプで初のブルペン入りを果たした。

捕手を立たせて15球、座らせて19球。「とりあえず投げられて良かった」と安堵(あんど)した。力強い直球が中心で「投げる方に関しては、変わらずいい状態がキープできている。もっともっと状態を上げていきたいです」と手応えもつかんだ。

この日は、ツーシームも試投した。プロ2年目までは積極的に投げていた球種だが、ここ2年間は精度の面で課題を感じて封印していた。投球練習を受けた鶴岡は「いいボールだね」と驚きの声。入団時から見守る厚沢ベンチコーチも「ぜひ使ってほしい。進化しようとしている。ニュー有原として取り組んでいる。あとは実戦で感覚をつかんでほしい」と話した。

苦手の右打者対策でツーシーム復活をもくろむ。昨季は対右打者の被打率が2割9分7厘で対左(2割6分5厘)より高かった。スライダーやカットボール、フォークで左打者は翻弄(ほんろう)できるが、右打者は内角を攻める球種が少なく、苦慮していた。そこでシュートのように内角をえぐるツーシームをものにできれば、投球の幅も広がる。有原も「試合で投げられるように調整したい」と強い決意を持っている。栗山監督も「今年は必ずやってくれる感じ」と期待感を募らせた。

アクシデントを乗り越え、ようやく本格的にリスタートを切った。有原は「まだまだ威力も精度もこれから」と話すが、開幕投手候補が楽しみな武器を携えて再出発を切った。

◆日本ハムの主な開幕投手候補 2年ぶりの大役を目指す有原のほか、昨季チーム最多11勝を挙げた上沢が有力候補。リリーフ希望を持つ金子は、オリックス時代に6度経験して実績は十分。昨季10勝で2年目をのマルティネスは、試合をつくる安定感が魅力。栗山監督は「今年に関しては道がいっぱいある。何でもありだ」と話し、ルーキー吉田輝の選択肢にも含みを持たせている。