楽天ドラフト1位の辰己涼介外野手(22=立命大)は、悔しい“デビュー”にも動じない。14日、チームの今季初実戦となる阪神との練習試合に「6番右翼」でフル出場。4打数無安打にも「シーズンだったら、143試合ある」と力強く前を向いた。

2回の第1打席、阪神望月の144キロを捉えたかに見えた打球は右飛。「いったと思ったんですけどね。『ここ』でした」とバットの先端寄りをさすって悔しがった。1死二、三塁のチャンスで迎えた6回は低めの変化球を振らされ、最後の打席も高めに浮いたボールにバットが止まらなかった。この日唯一ファーストストライクを見送った6回の第3打席について「まだ(プロの)ストライクゾーンになじめていない」と振り返った後で「まあ、言い訳ですよ。後半は打ちたい欲が出ていた」と潔く続けて自らを戒めた。

平石監督は「(低めの変化球に対して)目付け、どう対処していくか、これから1年で工夫は必要になってくる。でも、まだ1試合。これからじゃないですか」と話す。大きな期待を背負うドラ1は「投手の球は見えていた。試合の感覚は取り戻せたし、次こそ結果を出します」と負けん気をのぞかせた。【亀山泰宏】