昨季限りで現役を引退した元ソフトバンクの城所龍磨氏(33)が3日、阪神とのオープン戦前に引退セレモニアルピッチを行った。

背番号23のユニホームに袖を通し、まずはファンにあいさつ。「待機ばかりしていた15年間でしたが、熱い声援のおかげでプレーできました」と感謝した。

マウンドに立つと、打者役で柳田、捕手役で防具をフル装備した福田がベンチから登場し「1打席対決」で盛り上げた。城所氏はマウンド上で目薬をさし、目を潤ませて投球。

初球は外角に大きく外れる132キロで空振り。続いて内角への123キロで空振りさせ追い込んだ。最後は低目のいいコースへ135キロで空振りの3球三振に仕留めた。さらにマウンドを降りる途中、捕手福田から返してもらったボールを右翼席へ向かって投げた。推定120メートルの大遠投でスタンド中段まで届かせ、どよめきを誘った。

城所氏は「後輩たちが演出してくれてうれしかったです。(遠投に関しては)ぼくの売りは肩。一番自信があるところだった。練習ではスタンドにギリギリだったけど、ファンのみなさんが届かせてくれました」と笑った。

135キロの直球と遠投で、衰えていない肉体を披露した城所氏は「工藤監督にも『まだやれたんじゃないか』と言ってもらった。今は子どもたちに教えているので、プロ野球選手はすごいというところを見せないといけない。城所コーチに憧れてもらえるよう、できることは何でもしたい」と、現在所属する野球振興部での活躍を誓った。