近本よ「開幕2番」を狙え!! 阪神矢野燿大監督(50)が4日、開幕スタメンを見据え、オープン戦好調のドラフト1位近本光司外野手(24=大阪ガス)を積極的に起用する方針を示した。2、3日のソフトバンク2連戦(ヤフオクドーム)で連日のマルチ安打を放ち、二盗を決めるなど持ち前の機動力を存分に発揮。今後は本番を想定した打順を組む方針で「近本がどう機能するか」とキーに挙げた。2番起用を理想に掲げ、適性を見定める。

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快足ルーキー近本が「開幕2番」に近づくための13番勝負だ。3月に入って評価は急上昇。2、3日のソフトバンク戦で活躍したドラ1の姿は、矢野監督の脳裏にも色濃く焼きついていた。打順や野手の起用法の話題が進むうちに、自ら切り出す。「あとは近本じゃない? 近本がどう機能するか」。本番のオーダーを見据え、スタメン候補の1人に見込む。指揮官の思惑があらわになった瞬間だ。

若手にチャンスを与える一方、8日楽天戦(倉敷)からは開幕に向けた打線を組んでいく。「ある程度、打順もこれからはね。これからも競争だけど、プラスアルファで、よりシーズンを見据えて打順も考えていかないと」。実戦で個々の適性を判断していくなか、キーマンに挙げているのが近本だ。オープン戦の残り13戦は開幕スタメンを目指す腕試しになる。

「現状でね。あの足と(打撃で)自分の形もそんなに崩れへんから、どう絡められるかというのはね。俺が捕手でも嫌やし。近本はこれから、いろんな投手と対戦して、そこの評価になっていく。なんとかそういう部分は絡めていきたい」

そう言わしめるほど、博多遠征でのアピールは鮮烈だった。2日はエース千賀の「お化けフォーク」を右前へ運び、強肩甲斐キャノンの送球をかいくぐって二盗に成功。球界トップ級のバッテリーと堂々、渡り合って「近本株」は急騰だ。3日も意表を突くセーフティーバントに成功。俊足の魅力があふれ、指揮官のハートをわしづかみにした。

矢野監督は打順にも踏み込む。「いまは2番がいいかなと俺のなかでは思っている。どの打順でいいかは今後ね。2番にハマったほうが俺的にはいいかな」。2月の沖縄・宜野座キャンプから中谷、高山らと中堅争いを展開する。チャンスをつかめるか。29日の開幕ヤクルト戦に向けて「2番近本」がおぼろげながら浮かんできた。【酒井俊作】