新オプションがさっそく機能した。巨人坂本勇人内野手(30)が、実戦6試合目で初の1番でスタメン出場し、先頭打者本塁打を放った。フルカウントから、オリックス・エップラーの真ん中へ入った140キロカットボールをバットのやや先で捉え、左翼席最前部へ運んだ。ホームイン後に苦笑いを浮かべるほど、“今季1号”の手応えは完璧ではなかったが「コンパクトに打つことを心がけました。少し泳ぎぎみでしたが、ホームランになって良かったです」と喜んだ。

「ナオマルサカ」の中では、役割を果たせていなかった。1番吉川尚、2番に新加入の丸の並ぶ後ろの3番に座り、5試合にスタメン出場。だが15打数2安打、打率1割3分3厘。2安打はいずれもポテンヒットで、内容も満足いくものではなかった。

流れを変えようと、指揮官が動いた。6日の広島とのオープン戦は雨天中止となったが、原監督は練習後に1番坂本勇、2番吉川尚、3番丸の新打順を試そうとしていたことを明かした。「荒療治的な部分でメンバーがいなくなった時には変わる可能性もある」としつつ「その2つくらいの中で」と1番坂本勇、3番丸の並びの機能性を見定めようとしていた。

坂本勇は、7回2死での第4打席、鋭い打球を中前へはじき返した。昨季出場109試合中92試合で座り、打率3割6分8厘を残した「1番」で躍動した。「勇人も結果を出したいだろうしね。環境を変えてあげたらどうかなというところもありましたね」と話していた原監督の思いに、主将が応えた。【桑原幹久】